湖畔を懸ける白馬
オーナーの件は断ったつもりでいた、行く度に熱心に進めてくれる。
『良い子なんだあの子は』とか『素性が良い子なんだ』とつぶやくように言う
同時に8か月も経つのにうまく乗れないのである、最初の体験で良い思いで乗ってうまいのだと思い込んでいたのにそうは問屋はおろしてくれない、どの馬もどの馬も思い通りに行かない悔しさともやもやとした気持ちでいたところにこの話が来たのであった。
『じゃあ、少しだけ』と承諾した。
次の時にその子が来ることになった。
作戦勝ちか?
それでもオーナーになる気はなかった
乗馬クラブに通う道の脇の楓が色付きはじめたその頃その時はきた。
チョットだけの箸だった
初秋の柔らかくなりはじめた日に毛並みがきらきらとした馬が厩舎から出てきた、インストラクターに引かれて段々と私の方に近づいてくる。
近づけば近づくほど真っ白な毛並が美しい
湖畔を懸ける白馬にまたがる自分の姿が…
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