夢見る乙女!?
『内藤さんはなれて!』場長、厩務員などが怒鳴るように大きな声で言う馬の最後は暴れるため絶対にそばにいることは危険なのだ。2008年(平成20年)6月25日午後7時、太郎公は天に召された。大粒の涙が流れる。8年の付き合いであった……2000年10月に初めて会った。今まで色んな運動をやってきたが、何か満足しない自分が居た。そんな頃乗馬クラブのオープンのニュースが聞こえてきた。動物は好きであった、特に馬は立ち姿も美しく、...
私乗馬がうまい!?
不安を抱きながらクラブの事務所に行き『体験したいんですが』とおそるおそる言うと。『乗馬は子どもからお年寄り、男も女もなくできるスポーツです』と事もなげに言う。簡単な説明を受け、リボン付きの可愛いヘルメット、チャップス(短靴の時足に巻く足の保護の装具:脚絆の様な物)などの馬具を借りる。馬場に案内されて、初めて馬に触れる距離にたつと、『美しい』テレビなどで見ている観光用の引馬とは違う。後で知ったがサラ...
夢の夢物語り
乗馬クラブの人とも気心が知れるようになるとともに、乗馬のコツが分かってきて上達してくると違う馬に乗る様になってきた。ところがあのやさしい『バッチ』とは違う、前に行くように即しても動かない。左という合図を出しているのに無視をして真っ直ぐに行く。常足(なみあし)のはずなのに襲歩(しゅうほ)のような暴走をする馬と色んなウマが練習用に替わるがわる出てくる。『あんたもう少し上手に乗ってよ』と言わんばかりであ...
湖畔を懸ける白馬
オーナーの件は断ったつもりでいた、行く度に熱心に進めてくれる。『良い子なんだあの子は』とか『素性が良い子なんだ』とつぶやくように言う同時に8か月も経つのにうまく乗れないのである、最初の体験で良い思いで乗ってうまいのだと思い込んでいたのにそうは問屋はおろしてくれない、どの馬もどの馬も思い通りに行かない悔しさともやもやとした気持ちでいたところにこの話が来たのであった。『じゃあ、少しだけ』と承諾した。次...
乗せ上手
一瞬乙女チックに妄想しているとその子は目の前に来ていた。遠くでも美しいと思った毛並であったが、そばで見るとたてがみ、尻尾が腸の光を受け真珠か水晶の様に透き通った輝きをしている。スーッと顔をこちらに向け真っ黒で澄んだ大きな目で私をじっと見つめている。名前を『太郎公』というこの出会いのシーンはいまだに目をつぶると走馬灯のように繰り返し見ることができる。この衝撃的な出会いはまだ経験していない。姿は美しい...